超次元ライフイメージング研究部門では、トランススケールイメージング法を開発して、ミクロ(分子、細胞)からマクロ(組織、個体)までスケール縦断的に観察し、生命システムの理解を目指します。
これまで、バイオイメージング研究は数多くの重要な発見をもたらしてきました。一方で、従来のバイオイメージングはミクロまたはマクロな空間スケールに特化していたため、細胞レベルのイメージングと、より高次なマクロシステムのイメージングとの間に、しばしば相反する結果が生み出されることが知られていました。これは、ミクロとマクロなシステムの間に存在する、細胞数で3〜6桁に及ぶ大きなスケール分断に起因していました。このミクロとマクロのパラドックスを解消し、より包括的な生命現象の理解に迫ることは、生物学はもとより、医学・薬学・農学など様々なライフサイエンス研究領域の発展に重要な課題です。それ故、ミクロとマクロの狭間を、階層縦断的に計測・解析可能なトランススケールイメージング技術の開発が希求されていました。
超次元ライフイメージング部門では、大阪大学が世界に先駆ける1分子蛍光イメージングや組織全細胞イメージング、蛍光・化学発光プローブ技術、イメージ画像解析技術、ビッグデータ解析技術などを有機的に統合し、同一標本において「木も観て森も観る」世界で唯一無二のバイオイメージングデバイスを開発します。これを共同利用機器として広く開放し、健康長寿社会の形成に資する研究を推進していきたいと考えています。
< 論文公開 >
当部門で開発したトランスケールイメージング装置(トランススケールスコープ)AMATERAS2号機に関する論文を、国際学術誌eLifeで発表しました。従来よりも遙かに巨大な蛍光イメージング装置を開発し、センチメートル幅の組織や胚の中の細胞分布とその時間変化の3次元蛍光観察を実現しました。
https://doi.org/10.7554/eLife.93633.3
< 論文公開 >
当部門で開発したトランスケールイメージング装置(トランススケールスコープ)AMATERAS1号機を用いて、細胞性粘菌の集団が螺旋状の波を発生する仕組みの解明に関する論文を、国際学術誌Scientific Reportsで発表しました。
https://doi.org/10.1038/s41598-025-85759-9
< 受賞>
当部門の永井健治部門長が、2024年度島津賞を受賞しました。
https://www.shimadzu.co.jp/ssf/spr/winner.html
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2024/12/16001
< プロモーションビデオ >
当部門で開発したAMATERASのプロモーションビデオがYoutubeで公開されました。
< 共同研究募集中 >
当研究部門で開発したトランススケールスコープAMATERASを利用した共同研究を募集しています。詳細は、新学術領域「シンギュラリティ生物学」のHPから。
singularity-bio.jp/amateras/
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